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カテゴリー「製作ハウツー 富山地方鉄道14760形」の記事一覧

    

Posted on 19:53:14 «edit»

Category:製作ハウツー 富山地方鉄道14760形

【とやまちほう!】ブラスキットを作ろう 第2回 

乗秀です。
今日もブラスキット作っていきます!

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今回から作業に入るキットはこちら! 富山地方鉄道14760形です。こちらは富山地方鉄道の創立50周年に合わせて投入された車輌でして・・・って、なぜ同じキットがもう一つ!?
いいえ違うんです、前回触っていたキットとは違うんです・・・。

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パッケージにも記載されていますが、キットを開けると…なんと1輛増えている!
実は富山地鉄14760形は2編成が存在しており、状況に応じて組み替えて運用しています。

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このキットには前回製作を始めた2輛の他に、増結用のクハ174が追加されています。それに伴い特徴的な妻板部分はもちろんの事、ボディのディティールが異なる部分も的確に再現されているのです。

このタイミングでなぜ3輛も増えたかと言いますと、このキット元々は弊社代表から譲って頂いたキットでして、映画【RAIL WAYS 愛を伝えられない大人たちへ】に登場する車輌である本キットに愛着があり、初めはご自身で製作するつもりで揃えていたとの事。しかし塗装が大変めんどくさいのでキットの封が開けられる事無く、こちらの手に渡ったのでした。
そんな事情をころっと忘れていて、「2輛だったらこの大変そうな塗装でも時間かからないだろ」と思って始めた矢先に代表に発見され、「だったら全部!!」と残りの3輛がやってきたのでした。(ちなみに3輛キットの方は別のスタッフの手に渡っていたのですが、今回の件でこちらにやってきたという経緯が・・・)

そんなわけで、完成次第代表の元へ里帰りする予定となりまして、手を抜く事が出来なくなってしまいました。途端にハードルが上がったぞぉ〜!!

3輛分の組立て作業が急遽追加になりましたので、前回補足しきれなかった点を改めて解説していきます。

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金属のキットを切り出す際、ニッパーですと力の加わり具合によって板が曲がってしまう事があります。そういったトラブルを極力避けるため、なるべくパーツ側から遠い側から刃を入れます。

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ランナーを切ってから、パーツ側に残った切れ端を板の薄い方に合わせてカットします。今度はパーツ側にぴったり刃を合わせて、なるべく跡が残らない様にします。
この様ななるべくパーツに負担をかけない切り方は、プラモデル(特にクリアパーツ)等でも使えるテクニックです。状況に応じて使い分けましょう。

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しかしそこまで注意していても、ランナーとの距離によってちょっと曲がってしまう事もしばしばあります。
そんな時はプライヤーでグッと摘んで、真っすぐになる様矯正をします。これはギザギザがついたペンチや細いピンセットでは出来ない芸当ですので、ブラスキット製作の際はプライヤーを一本持っていると大変便利です。(私はハセガワトライツールのエッチングプライヤーを使用しています)

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そんなこんなで5輛とも、前回まで進めた段階へ持っていきました・・・やっとここから本編です。

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補足です。先程説明した増結車輌のクハ174、造型上に差異があるとはいえ、かなり細かな違いしかない為どちらがどちらか分からなくなる恐れがあります。その際は「パンタグラフが乗らない方」と覚えておき、屋根に穴が開いて無い方をクハ174とすれば間違いありません。

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折り込んだボディには、表と裏面をつなげたゲートがそのまま残っています。ハンダをしっかり回していればここを今削っても部品が離れる事は無いので、削ってなくしてしまいましょう。薄いブラスなら180番のサンドペーパーで十分削り取れますし、ダイヤモンドヤスリを所持していればその方が簡単に削り取れます。

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さぁ前回あちこち合わないと言っていた前面の矯正です。盛大な隙間はあとで埋めていく事を前提として、ボディに引っ掛ける段差の高さがあっておらず板とのツラが合わないのは見過ごせません。削ってぴったり合う様に調整します。

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極力隙間が空かない様に調整したところです。おでこはどうしようもなかったので、ここだけパテで埋めていきます…。

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速乾性が高い瞬間硬化パテで塞ぎます。隙間が大きいので、粘度を濃い目にして隙間から流れ出さないように盛っていきます。プラ板を挟んで詰めるのも良さそうですね。

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パテを盛ったら、サンドペーパーで形を作る勢いで削り出し! ブラスの屋上に合わせる為ホワイトメタル部分ごと削りながら面を合わせていきます。

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パテ部分の処理が終わったら、ハンダの漏れがある部分をキサゲ処理して綺麗に仕上げます。金属ブラシや棒キサゲ等で行うのが一般的だそうですが、弊社では高速&効率化を追求した結果リューターの先端に付けるワイヤブラシで磨くようになりました。
表面に押し当て過ぎると金属地をおかしくしてしまいますので、表面をなでる程度で当てていきます。なでる程度でもビックリする程簡単にハンダが取れていきますので、是非お試しあれ!
欠点は意外とすぐにだめになってしまうのと(体感ではHO客車2輛で1つ使い潰してます)抜けたワイヤーが床に飛び散り脚に刺さるとめちゃくちゃ痛い事でしょうか…思わず声が出る勢いで激痛が走ります。この辺、別の機会でやらかしたエピソードをご紹介出来たらと思います。

今回はここまで! 5輛同時作業ですので時間がかかってしまいますが、次回も引き続き製作を進めていきます。

筆者:乗秀

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Posted on 14:59:54 «edit»

Category:製作ハウツー 富山地方鉄道14760形

【とやまちほう!】ブラスキットを作ろう 第1回 

乗秀です。新作、始めます!
前回はプラキットで飯田線を製作致しましたので、今回はブラスキットを作っていきます。プラと違いブラスを触った事が無い方が多くいらっしゃると思いますので、なるべく丁寧に解説出来ればと思います。

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画像出典:Wikipedia
今回製作するのはこちら、富山地方鉄道14760形電車です。富山地方鉄道創立50周年にあたる1979年に誕生した車輌で、富山の県鳥である雷鳥をイメージしたカラーリングが特徴です。
この車輌は人気があり、弊社でも何回かご依頼を頂いた事が御座います。完成品をギャラリーにて掲載しておりますので、完成イメージとしてご覧頂ければと思います。→富山地鉄14760形電車

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キットはボディのみが入っており、足回りや屋根機器は別途揃える必要があります。とりあえず今日はハンダ付け作業のみで進めますので、キットに入っているものだけで進めていきます。

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まずブラスキット製作にあたり注意点! ハンダは必ずヤニ無しのものを選び、フラックス液を同時に揃えてください。
ハンダ工作は学校でしか…という方が触った事があるハンダは、電子基板で主に使うヤニが入ってるハンダです。ヤニ入りは基盤の様な他にハンダがついてしまってはいけない箇所の点付けに適したハンダですが、模型工作では面で接合する箇所ばかりですので、ヤニ無しが最適です。
また、ヤニ無しハンダはフラックスが無いとまともにつきません。必ずセットでご用意してください。

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画像では、最低限ここまでは揃えておきたい道具を並べました。HOゲージでは更にアングル固定治具も出しますが、今回は割愛します。

・ハンダごて・・・言うまでもないですね! 温度調整が出来るタイプがおすすめです。
・フラックス入れ・・・フラックスは強酸性ですので、反応しないガラス等の容器を用意します。
・アルミクリップ・・・アルミはハンダに反応しないため、部品の押さえに最適です。
・ハンダ吸い取りリボン・・・ハンダがはみ出してしまった場合に。用途は後述で解説します。
・ベーク板・・・耐熱性が高くハンダ作業に最適。
・ピンセット・・・プラモデルでも使いますね。ブラス工作でも大活躍です。

写しておりませんが、金属用のプライヤーがあるとなお工作がスムーズにはかどります。

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いよいよ製作開始! Nゲージのブラスキットはガレージキットも含めて様々なメーカーから発売されていますが、概ねボディのディティールが刻印された外側とドアやサッシ等の内側に分かれており、手つかずの状態では写真の様に繋がっている場合が多いです。

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まずは一番外側のランナーをカットします。一見本体の造型の様にも見えますが、カットしても問題無い部位です。キットによってはどこまでが使う部品か分かり辛いものがある為、必ず実車資料と照らし合わせて確認しましょう。

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ボディが繋がっているキットの場合、折り込むだけで外と内がぴったり合う様に出来ています。
ボディに限らず部品を曲げる際は、一カ所でなく全体に均一な力がかかる様にゆっくり曲げましょう。この様な時にプライヤーがあると大変便利です。
また、一度曲げた部品を開くと曲がっている箇所が折れて外れてしまいます。極力1回で曲げ加工を済ませられる様慎重に進めましょう。

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折り込んだ後はいよいよハンダ…の前に、気をつけなければならない所があります。そう、内側には台車を押さえる為の固定治具が刻印されており、今の段階でここを曲げておかなければなりません。以前この作業を忘れてハンダ付けを行ってしまい、曲げて起こそうにもハンダが流れてしまって動かせなくなってしまった、という経験があります…。

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いよいよハンダ付けです。折って重ねるタイプのキットは要所要所にハンダを流す為の穴が設けられており、まずはそこに合わせてハンダを流していきます。
ハンダ付けしたい箇所にフラックスを付着させます。フラックスを付ける際、爪楊枝は割り箸等の木製の棒で行うとやりやすくなります。

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ハンダごての先端部にフラックスを「少量」含ませて、先程の箇所にこてをあてます。「じゅっ!」と音がしますので、目視で流れた事を確認したらすぐにこてを離しましょう。
問題無ければ1秒くらいでハンダ付け出来ますが、上手く流れない場合に大量のハンダを含ませたり長時間こてをあてたりはしない様にしましょう。前者はハンダの無駄やこの後のキサゲ処理が大変になりますし、後者は熱のかかり過ぎでブラスが歪む可能性がある為です。
ハンダが流れない際は、流す向きやこての角度、部品表面の問題等が考えられますので、原因の把握を間違えない様にしましょう。良くあるのはロストワックス(型に流し込んで成型されたブラス部品)の表面についた蝋が邪魔をしてハンダがつかないことで、これは表面をしっかり磨けば解決します。

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キットの○部分が流し終えたら、接合面にも薄くハンダを流します。一応○部分だけでも部品は止まりますが、断面をどこかに引っ掛けてめくれたり隙間が浮いたりしてしまわない様、しっかり流しておくと後々楽です。

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妻板はキットによって固定方法が異なります。大体ボディ側に固定治具が設けられている事が多いですが、妻板側にボディと上手く噛み合う様段差が設けられていて、そこに合わせてハンダ固定する場合も御座います。今回は後者でしたので、ずれない様慎重に流しました。

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そして良くある事故、いらない所についちゃったハンダ! モリモリに盛り上がっちゃったハンダ!
削ってしまえば問題ありませんが、もっと楽する為にあの道具を使います。

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ハンダ吸い取りリボンにフラックスをしみ込ませて患部にあてます。その上からハンダごてで熱を通すと、見る見るうちにリボンにハンダが吸われていきます。

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ハンダを離すと、ハンダの盛り上がりが無くなりました。ただわずかに表面にハンダが残ってしまう為、次回行うキサゲ(下地処理)で完全に消します。

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ランボードを取付ければ、ハンダ作業は終了です! 接着やパテ成型等は、必ずハンダ作業と分けて行います。こての熱でパテや接着剤が焼けてしまう為です。

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このキットは前面が熱に弱いホワイトメタル製ですので、ハンダは使わず接着で取付けますが…かなり矯正が必要だと言う事が判明しました。こいつはあかん!
次回、このずれまくり顔面の矯正をしながら、この後の作業を進めていきます。

筆者:乗秀

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