Posted on 19:51:54 «edit»
乗秀です。
前回から始まった飯田線工作を進めていきます。最初のクモニ83のボディが組み上がった所でしたが、いくつか手を入れなければならない為小さいながらも重要な加工を今回進めていきます。
と、その前に・・・。

実はこのキット、塗り分けラインに沿って凸のモールドが刻印されています。この形状はマスキングがし辛い為、マスク作業が苦手な方でも安心して塗れる様に彫刻してくれた、設計者の粋な計らいですね。

ただこの様なモールドは実車には存在しませんので、今回は全て除去しました。わざわざ入れてくれたのに申し訳ないと思いながら、サンドペーパーで消していきます・・・。

ここから本番です。実車と見比べて、避雷器が乗る位置が逆になっているという点は前回最後に触れました。この決定的な違いを直します。

まず今彫刻されているモールドを削ぐ様に刃を入れます。変わるのは位置だけですので、なるべく工作の手間を減らす為にキットの造形を活かします。

カットした・・・のですが、真ん中の台の部分は薄すぎてへろへろになってしまったので、同じ幅の0.3mmプラ版を切り出してフォローしました。これで一番大事なパーツ作りはOKです。
他の作業も平行して進めますので、このパーツはなくさない様に一旦保管します。

次に配管を含めたいらないモールドを切り飛ばしていきます。ここで大事なのは、位置を変えない配管部分はカットの際にうっすら残して、配管が通る向きや配管止めが取り付く位置が分かる様にする事です。

配管止めがあった所に、後述の配管止めパーツを止める為の穴を開けていきます。鉄道模型の加工は0.4mmのピンバイスが大活躍しますので、多めに用意しましょう!

先程の避雷器を移植する場所は、配管も位置も含めて鉛筆でなぞります。油性ペンを使うとサフや塗装の際に線が浮き出てしまいますので、絶対使用しない様にしましょう。

ここまで進めた所で、初めてペーパー掛けで表面をならします。鉛筆でなぞった所はなるべく消さない様慎重に進めます。

ここからは鉄道模型ディティールアップの華形、配管の再現です!
まずは簡単な所から、ここにまっすぐ入る配管を再現します。実車は太めの管が通っているので、ここを0.4mmの真鍮線で再現する事にします。

ここで用意したのは、マッハ製の配管止め。しかしこの商品はHOゲージ用の商品ですので、Nゲージで使用するには少々スケールオーバーです。

にもかかわらずこれを選んだのは、ここの配管止めは実車ではゴツめな金具が使われており、N用ですと小さく見えてしまう為です。今回の様にスケールに合わせて、商品の推奨サイズをまたいで使用する時もあります。

次は移設する避雷器の配管を再現します。ここは先程よりも細い管で作られている様なので、0.3mmの真鍮線に替えて再現します。
エッチングプライヤーでなぞった線に合わせてぐにぐに曲げます。曲げる工具は使いやすいもので構いませんが、ピンセットですと押さえ込める太さに制限が出るためあまりお勧め出来ません。

ここからの配管止めは、N用の商品を使用します。ボナファイデプロダクト製の割りピンがちょうどいいと判断して、こちらを使用しました。

予め通せるスペースが設けられているのでそこに真鍮線を通してから車体に取付けても良いですし、真鍮線の上から押しピンを広げてくわえこんでも良いですし、止め方に関しては状況に応じて止めやすい方を選びます。

加工した側の配管が完了しました。おでこの方の二本の配管も再現。この作業だけで一気に実車っぽい雰囲気になるのでおすすめです。

この勢いで反対側の移設作業も、と思い資料に目を通したら、なんと反対側は避雷器そのものがありませんでした。
ここは実車に合わせて配管し直す程度の作業で済みました。
これにて屋根の配管作業は完了です。

次はこれまた鉄道模型ディティールアップのお約束の一つ、手すりの作り替えです。
HOゲージの話になりますが、TOMIX製の商品にはPS(プレステージ)モデルなる商品が存在し、そちらは本来樹脂で作られた手すり等の細かなパーツが金属製に置き換えられているという、ハイエンドモデルなのです。もちろん通常商品よりも高価ですが、市場での人気はPSモデルの方が高いという点に、手すりの金属化が如何に重要な作業であるかが伺えます。
Nゲージのキットですと大半が手すりはボディに刻印されている程度ですので、別パーツ化するだけで一気に雰囲気が変わりそうですね。
こちらも配管の作業と同様、うっすら残してカットしてから手すりの端を開口してペーパー処理します。

開けた穴に合う手すりを曲げて作り、通していくのですが・・・この作業が地味かつ精度が必要なので、なかなか苦しいのが難点です。ここは根気が要求されますので、完成イメージを頭の中で膨らませながら乗り切りましょう!

こうして全ての手すりの金属化が完了しました。なんだかすごく改造した様な雰囲気になりましたね! 艦船模型では樹脂パーツと金属パーツが交互に並ぶ光景がよく見られますが、個人的にはこの状態が一番【工作した!】という気がして好きです。(そこで満足して終わったキットもたくさんあります・・・。)

そんな訳で、実車の差異の再現及び細部パーツの別パーツ化が完了しました。
これでこの車輌は終わり・・・といきたい所ですが、もう少しやりたい事を見つけましたので、次回も少し触っていこうと思います。
筆者:乗秀

NAGAEアートプロダクションはこちらから
前回から始まった飯田線工作を進めていきます。最初のクモニ83のボディが組み上がった所でしたが、いくつか手を入れなければならない為小さいながらも重要な加工を今回進めていきます。
と、その前に・・・。

実はこのキット、塗り分けラインに沿って凸のモールドが刻印されています。この形状はマスキングがし辛い為、マスク作業が苦手な方でも安心して塗れる様に彫刻してくれた、設計者の粋な計らいですね。

ただこの様なモールドは実車には存在しませんので、今回は全て除去しました。わざわざ入れてくれたのに申し訳ないと思いながら、サンドペーパーで消していきます・・・。

ここから本番です。実車と見比べて、避雷器が乗る位置が逆になっているという点は前回最後に触れました。この決定的な違いを直します。

まず今彫刻されているモールドを削ぐ様に刃を入れます。変わるのは位置だけですので、なるべく工作の手間を減らす為にキットの造形を活かします。

カットした・・・のですが、真ん中の台の部分は薄すぎてへろへろになってしまったので、同じ幅の0.3mmプラ版を切り出してフォローしました。これで一番大事なパーツ作りはOKです。
他の作業も平行して進めますので、このパーツはなくさない様に一旦保管します。

次に配管を含めたいらないモールドを切り飛ばしていきます。ここで大事なのは、位置を変えない配管部分はカットの際にうっすら残して、配管が通る向きや配管止めが取り付く位置が分かる様にする事です。

配管止めがあった所に、後述の配管止めパーツを止める為の穴を開けていきます。鉄道模型の加工は0.4mmのピンバイスが大活躍しますので、多めに用意しましょう!

先程の避雷器を移植する場所は、配管も位置も含めて鉛筆でなぞります。油性ペンを使うとサフや塗装の際に線が浮き出てしまいますので、絶対使用しない様にしましょう。

ここまで進めた所で、初めてペーパー掛けで表面をならします。鉛筆でなぞった所はなるべく消さない様慎重に進めます。

ここからは鉄道模型ディティールアップの華形、配管の再現です!
まずは簡単な所から、ここにまっすぐ入る配管を再現します。実車は太めの管が通っているので、ここを0.4mmの真鍮線で再現する事にします。

ここで用意したのは、マッハ製の配管止め。しかしこの商品はHOゲージ用の商品ですので、Nゲージで使用するには少々スケールオーバーです。

にもかかわらずこれを選んだのは、ここの配管止めは実車ではゴツめな金具が使われており、N用ですと小さく見えてしまう為です。今回の様にスケールに合わせて、商品の推奨サイズをまたいで使用する時もあります。

次は移設する避雷器の配管を再現します。ここは先程よりも細い管で作られている様なので、0.3mmの真鍮線に替えて再現します。
エッチングプライヤーでなぞった線に合わせてぐにぐに曲げます。曲げる工具は使いやすいもので構いませんが、ピンセットですと押さえ込める太さに制限が出るためあまりお勧め出来ません。

ここからの配管止めは、N用の商品を使用します。ボナファイデプロダクト製の割りピンがちょうどいいと判断して、こちらを使用しました。

予め通せるスペースが設けられているのでそこに真鍮線を通してから車体に取付けても良いですし、真鍮線の上から押しピンを広げてくわえこんでも良いですし、止め方に関しては状況に応じて止めやすい方を選びます。

加工した側の配管が完了しました。おでこの方の二本の配管も再現。この作業だけで一気に実車っぽい雰囲気になるのでおすすめです。

この勢いで反対側の移設作業も、と思い資料に目を通したら、なんと反対側は避雷器そのものがありませんでした。
ここは実車に合わせて配管し直す程度の作業で済みました。
これにて屋根の配管作業は完了です。

次はこれまた鉄道模型ディティールアップのお約束の一つ、手すりの作り替えです。
HOゲージの話になりますが、TOMIX製の商品にはPS(プレステージ)モデルなる商品が存在し、そちらは本来樹脂で作られた手すり等の細かなパーツが金属製に置き換えられているという、ハイエンドモデルなのです。もちろん通常商品よりも高価ですが、市場での人気はPSモデルの方が高いという点に、手すりの金属化が如何に重要な作業であるかが伺えます。
Nゲージのキットですと大半が手すりはボディに刻印されている程度ですので、別パーツ化するだけで一気に雰囲気が変わりそうですね。
こちらも配管の作業と同様、うっすら残してカットしてから手すりの端を開口してペーパー処理します。

開けた穴に合う手すりを曲げて作り、通していくのですが・・・この作業が地味かつ精度が必要なので、なかなか苦しいのが難点です。ここは根気が要求されますので、完成イメージを頭の中で膨らませながら乗り切りましょう!

こうして全ての手すりの金属化が完了しました。なんだかすごく改造した様な雰囲気になりましたね! 艦船模型では樹脂パーツと金属パーツが交互に並ぶ光景がよく見られますが、個人的にはこの状態が一番【工作した!】という気がして好きです。(そこで満足して終わったキットもたくさんあります・・・。)

そんな訳で、実車の差異の再現及び細部パーツの別パーツ化が完了しました。
これでこの車輌は終わり・・・といきたい所ですが、もう少しやりたい事を見つけましたので、次回も少し触っていこうと思います。
筆者:乗秀

NAGAEアートプロダクションはこちらから
スポンサーサイト
« 【じーく!】零戦をつくるの巻 其の③ | 【文化財保存•復元技術展】にいってまいりました! »
トラックバック
| h o m e |