Posted on 21:05:56 «edit»
乗秀です。
飯田線もいよいよ終わりが見えてきました。と、ここでちょっと欲が出てきたので、当初予定に加えていなかった工程を挟もうと思います。

一通りの塗装及び修正を終えた5輛です。と、さらっと書きましたが、5輛とも形がバラバラな車輌を纏めて作業すると混乱してきて大変です。HOゲージになると作業面積も増えるのでなおさら大変! 飯田線シリーズを製作する際の宿命です。

パンタグラフを乗せると、これまで苦労して作った配管に一気に説得力が増して、完成イメージにグッと近づきます。
でもまだ組立てに入っていないのにパンタグラフ? これには意図があります。

飯田線と言えば歴戦の勇士が集った路線として有名です。どの車輌も幾度も改装を重ねて整備が行き届いていましたが、使い込まれた雰囲気は強く残っていました。いや、むしろその雰囲気こそが飯田線の良さとも言えます。
弊社でのご依頼では美しい完成品をご希望されるお客様が多い為、実は使い込まれた雰囲気を出す為のウェザリングを施す機会は多くありません。なので、折角ブログでご紹介しているのですから、ここはちょちょいとウェザリングを施した作例に仕上げたいと途中で思ったのです。もちろんパンタグラフも汚れてなきゃおかしいので、このタイミングでセットしたのです。
ウェザリングはパステルや各種類の塗料等様々な道具を、仕上げたい雰囲気に合わせて選びます。今回はエナメル塗料を使用してウェザリングを施します。使用する色は画像に映っている4色です。

エナメル塗料を含ませた筆から水分をある程度ふき取り、こすりつける様にベンチレータ周辺に塗り付けます。この後塗った色を伸ばしますので、ドライブラシ並みにかさかさにしない様に調整します。

色を乗せたら、そのままベンチレータ周辺から放射状に色を伸ばしていきます。ベンチレータから垂れた雨水等の汚れがそのまま残った様なイメージでこすりつけます。
鉄道模型はウェザリングを施す方向が大事で、基本的に進行方向に沿って汚れが付着する様に汚しを入れます。運用されている環境や速度等も加味してあげると、より実車感が増します。
今回製作している飯田線はあまりガンガンに運用されていた編成ではないそうですので、駐車している時間の間に汚れが蓄積していったイメージで汚しを加えます。

一通り色を伸ばしました。この段階で十分汚しが加えられましたが、ちょっと調整をします。

ベンチレータの上面に薄くエナメル溶剤を含ませたティッシュでなでて、軽く汚れを落とします。あまり汚しをキツくやるとただ汚いだけになってしまいますし、ベンチレータよりも屋根の方が汚れが付着しやすいので、より実車らしい雰囲気にする為に汚れ具合を調整しました。

調整が完了しました。汚れ具合も落ち着き、いよいよ実車っぽさが出てきました。ボディの側面は常に綺麗にされていたため、汚しは屋根のみにとどめます。
今回はエナメル塗料で説明していますが、もちろん他の塗料やパステル等でも要領は同じですので、参考にして頂ければと思います。

どの車輌でも必ず汚れていく、足回りも施します。ここは前途の通り進行方向を意識して入れて行きます。さらに車輪から巻き上げられた土屋泥が付着するイメージも盛り込むと、よりそれらしくなります!

ここで以前解説が漏れていた、カプラー交換についてちょっと触れます。
Nゲージの標準的なカプラーはアーノルドカプラー(左)で、世界共通規格となっている為生産国や生産時期を問わず連結出来、またしっかり噛み合うため機能的には申し分ありません。…が、ご覧の通り見た目がいかつすぎて、実車のカプラーとはほど遠い形状になってしまっています。おまけに今回再現する飯田線は密連形という、現在国内で一般的に使用されているタイプのカプラーですので、形状がそもそも合っていません。
そこで各メーカーでは、連結機能を損なわずよりリアルな形状を目指したカプラーが販売されています。製品によっては標準で取付けられている物もあり、現在ではそれらの方が主流になりつつあります。カプラーは形状や用途に応じて様々な種類が用意されており、組み合わせれば大概の車輌の外観を再現出来る様になっています。
今回は密連カプラーの製品の中でも扱いやすい、KATOカプラー(右)を選択しました。


一通り汚しを加えた所で、全体のバランス確認の為に一度ボディと台車をセットします。ここで汚しを足すか減らすか、塩梅を調整していきます。「あれ、こっちの方が汚れが薄いかな」と汚しを増やし続けて、ドロドロにしすぎない様にだけ注意しましょう。

そんなこんなでウェザリングが終了しました。まだガラス等の細かなパーツがついていませんが、もう殆ど出来た様な気分になりますね!
次回、いよいよ歴戦の飯田線が完成します! お楽しみに!!
筆者:乗秀

NAGAEアートプロダクションはこちらから
飯田線もいよいよ終わりが見えてきました。と、ここでちょっと欲が出てきたので、当初予定に加えていなかった工程を挟もうと思います。

一通りの塗装及び修正を終えた5輛です。と、さらっと書きましたが、5輛とも形がバラバラな車輌を纏めて作業すると混乱してきて大変です。HOゲージになると作業面積も増えるのでなおさら大変! 飯田線シリーズを製作する際の宿命です。

パンタグラフを乗せると、これまで苦労して作った配管に一気に説得力が増して、完成イメージにグッと近づきます。
でもまだ組立てに入っていないのにパンタグラフ? これには意図があります。

飯田線と言えば歴戦の勇士が集った路線として有名です。どの車輌も幾度も改装を重ねて整備が行き届いていましたが、使い込まれた雰囲気は強く残っていました。いや、むしろその雰囲気こそが飯田線の良さとも言えます。
弊社でのご依頼では美しい完成品をご希望されるお客様が多い為、実は使い込まれた雰囲気を出す為のウェザリングを施す機会は多くありません。なので、折角ブログでご紹介しているのですから、ここはちょちょいとウェザリングを施した作例に仕上げたいと途中で思ったのです。もちろんパンタグラフも汚れてなきゃおかしいので、このタイミングでセットしたのです。
ウェザリングはパステルや各種類の塗料等様々な道具を、仕上げたい雰囲気に合わせて選びます。今回はエナメル塗料を使用してウェザリングを施します。使用する色は画像に映っている4色です。

エナメル塗料を含ませた筆から水分をある程度ふき取り、こすりつける様にベンチレータ周辺に塗り付けます。この後塗った色を伸ばしますので、ドライブラシ並みにかさかさにしない様に調整します。

色を乗せたら、そのままベンチレータ周辺から放射状に色を伸ばしていきます。ベンチレータから垂れた雨水等の汚れがそのまま残った様なイメージでこすりつけます。
鉄道模型はウェザリングを施す方向が大事で、基本的に進行方向に沿って汚れが付着する様に汚しを入れます。運用されている環境や速度等も加味してあげると、より実車感が増します。
今回製作している飯田線はあまりガンガンに運用されていた編成ではないそうですので、駐車している時間の間に汚れが蓄積していったイメージで汚しを加えます。

一通り色を伸ばしました。この段階で十分汚しが加えられましたが、ちょっと調整をします。

ベンチレータの上面に薄くエナメル溶剤を含ませたティッシュでなでて、軽く汚れを落とします。あまり汚しをキツくやるとただ汚いだけになってしまいますし、ベンチレータよりも屋根の方が汚れが付着しやすいので、より実車らしい雰囲気にする為に汚れ具合を調整しました。

調整が完了しました。汚れ具合も落ち着き、いよいよ実車っぽさが出てきました。ボディの側面は常に綺麗にされていたため、汚しは屋根のみにとどめます。
今回はエナメル塗料で説明していますが、もちろん他の塗料やパステル等でも要領は同じですので、参考にして頂ければと思います。

どの車輌でも必ず汚れていく、足回りも施します。ここは前途の通り進行方向を意識して入れて行きます。さらに車輪から巻き上げられた土屋泥が付着するイメージも盛り込むと、よりそれらしくなります!

ここで以前解説が漏れていた、カプラー交換についてちょっと触れます。
Nゲージの標準的なカプラーはアーノルドカプラー(左)で、世界共通規格となっている為生産国や生産時期を問わず連結出来、またしっかり噛み合うため機能的には申し分ありません。…が、ご覧の通り見た目がいかつすぎて、実車のカプラーとはほど遠い形状になってしまっています。おまけに今回再現する飯田線は密連形という、現在国内で一般的に使用されているタイプのカプラーですので、形状がそもそも合っていません。
そこで各メーカーでは、連結機能を損なわずよりリアルな形状を目指したカプラーが販売されています。製品によっては標準で取付けられている物もあり、現在ではそれらの方が主流になりつつあります。カプラーは形状や用途に応じて様々な種類が用意されており、組み合わせれば大概の車輌の外観を再現出来る様になっています。
今回は密連カプラーの製品の中でも扱いやすい、KATOカプラー(右)を選択しました。


一通り汚しを加えた所で、全体のバランス確認の為に一度ボディと台車をセットします。ここで汚しを足すか減らすか、塩梅を調整していきます。「あれ、こっちの方が汚れが薄いかな」と汚しを増やし続けて、ドロドロにしすぎない様にだけ注意しましょう。

そんなこんなでウェザリングが終了しました。まだガラス等の細かなパーツがついていませんが、もう殆ど出来た様な気分になりますね!
次回、いよいよ歴戦の飯田線が完成します! お楽しみに!!
筆者:乗秀

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